建保7年（1219年。承久元年）1月27日、第3代鎌倉殿・源実朝（演：柿澤勇人）が甥で猶子の公暁（演：寛一郎）に暗殺されてしまいました。

公暁は実朝の兄・源頼家（演：金子大地）の子で、父が遂げた非業の死は実朝のせいであると逆恨みしての犯行です。

昔からこの暗殺劇には、いわゆる黒幕がいると言われてきました。有力候補としては、北条氏や三浦義村（演：山本耕史）、果ては後鳥羽上皇（演：尾上松也）らが挙げられます。

しかし彼らには実朝を殺すメリットがなく、「事件によって最も得をする（と考えられる）者が犯人」という陰謀論のセオリーに照らす限り対象外のようです。

実朝が死んで最も得をする者……ここで言う得とは「次の鎌倉殿（あるいはその後ろ盾）になる」ことと考えていいでしょう。

そこで浮上するのが阿野時元（演：森優作）。実朝の暗殺直後に鎌倉殿の位を望んで駿河で挙兵し、あえなく討ち取られています。

彼は亡き阿野全成（演：新納慎也）と実衣（演：宮澤エマ。阿波局）の息子ですから、源氏の血統に加え執権北条氏との親密さで鎌倉殿には好条件。

謀叛など起こすまでもなく、鎌倉からお呼びがかかってもおかしくないはず。にも関わらず、なぜわざわざ謀叛を起こし、追討されてしまったのでしょうか。

時元謀叛の裏には、『吾妻鏡』には記されなかった政子（演：小池栄子）と実衣の暗闘があった可能性が考えられます。