世界遺産熊野(熊野古道)。正確には「紀伊山地の霊場と参詣道」に含まれます。
古代から霊場として名高い場所でありますが、筆者が訪れた際、源頼朝と政子の史跡をよく目にして驚きました。実は鎌倉時代は関東武士・土豪の間で熊野巡礼の気分が高まった時代だといいます。源頼朝と政子の熊野信仰の厚さを示すスポットをご紹介します。
ゴトビキ岩に続く石段
正確には「神倉神社」という神社のご神体のこと。急こう配の石段の上に、ご神体の巨岩が鎮座しています。地元ではゴトビキ岩と呼ばれ、熊野に最初に神々が降り立った場所として崇敬を集めています。
このゴトビキ岩までつけられた石段こそが、1193年に源頼朝が寄進したというもの。
階段は全部で538段もあり、自然石で組み上げられ急こう配のため、鳥居の入り口前には誰でも利用できる杖が置いてあります。
登山慣れしているはずの筆者も、その狭くて高い石積みに下るときは少しめまいがしたほど。
夏には闇夜の中で松明片手に一気に駆け下りる「お燈祭」という恐ろしく無謀な神事があり、神の降臨を表現するものだといわれています。
ちなみに「ゴトビキ」とは地元の方言でガマガエルのこと。神が降り立つ地にガマガエルとは…、伝説よりもゴトビキと先に呼ばれていたのかもしれませんね。
筆者はカエルというよりフクロウに見えました。