前回は「亀の前事件」で壮絶な夫婦喧嘩を演じた……というより源頼朝(演:大泉洋)の浮気を完膚なきまでに問い詰めた北条政子(演:小池栄子)。
頼朝の逆ギレに嫌気が差したのか、北条時政(演:坂東彌十郎)は伊豆に帰ってしまい、江間義時(演:小栗旬)は後始末に追われることに。
鎌倉でそんなドタバタ劇を展開している間に、天下の情勢は少しずつ動いていたようで、信越北陸方面で木曽義仲(演:青木崇高)が勢力を伸ばし始めていました。
古来「両雄並び立たず」とはよく言ったもの、鎌倉の頼朝と木曾の義仲はやがて雌雄を決することになるのですが……。
今回は頼朝と義仲がなぜ争うことになったのか、そしてどのような結果となったのかを紹介。次週放送の第13回「幼なじみの絆」を視聴する上で予習になればと思います。
源氏同士で争ってどうする…義仲の決断
頼朝と義仲の衝突が発生したのは寿永2年(1183年)3月。この年は『吾妻鏡』の記録が抜け落ちているため『平家物語』などを元に見ていきます。
頼朝は、2月に義仲の元へ逃げ込んだ源行家(演:杉本哲太)と志田義広(しだ よしひろ。頼朝の叔父)の身柄引き渡しを要求。
義広は源氏でありながら平家に与して頼朝に叛旗をひるがえし、小山朝政(演:中村敦)や八田知家(演:市原隼人)らに撃破されています。
いずれも頼朝にとって困った叔父たちであるものの、義仲は引き渡しを拒否。
事情はどうあれ、一度匿った者をたやすく(あるいは威に屈して)引き渡しては武士の名折れ。ここは譲れません。
……対する頼朝も「ハイそうですか」とはいきません(これまた武士の沽券にかかわります)。