NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」皆さんも観ていますか?
既に多彩なキャラクターが画面を彩っているものの、今から登場を楽しみにしている一人が、栗原英雄さんの演じる大江広元(おおえの ひろもと)。
日ごろクールな文官でありながら、ここ一番の大勝負で熱い一面を垣間魅せてくれる……きっと本作を通して広元ファンが増えることでしょう。
さて、そんな大江広元ですが、彼の祖先は「大枝」姓を称していました。読みはどちらも同じ「おおえ」ですが、あえて改姓したのは、どういう理由があるのでしょうか。
もちろん、単なる誤記とかそういうオチではありません。今回はそれを紹介したいと思います。
あまり枝が栄えすぎると……
大枝から大江に改姓したのは、広元から遡ること10代祖先・大江音人。これで「おとひと」若しくは「おとんど」と読みます。
【大江氏略系図】
大江音人-千古(ちふる)-維時(これとき)-重光(しげみつ)-匡衡(まさひら)-挙周(たかちか)-成衡(なりひら)-匡房(まさふさ)-維順(これのぶ)-維光(これみつ)-広元
音人は平安時代初期の弘仁2年(811年)に生まれ、第54代・仁明天皇~第57代・陽成天皇まで4代に仕えた名臣の一人です。
歴史書『日本三大実録』によれば、音人は大柄で風格をたたえた顔立ちと飾り気のない性格で評判が高く、子孫の広元もそうだったのかも知れません。
高い政治能力と豊富な知識で頼りにされ、しばしば朝廷からアドバイスを求められたと言いますから、広元にも受け継がれたことでしょう。
さて、そんな「大枝」音人が改姓したのは貞観8年(866年)10月15日。キッカケは第56代・清和天皇の勧めによるものでした。