祖先の評価は子孫しだい!武士道バイブル『葉隠』が説く孝行の心意気を紹介

いきなりですが、皆さんのご先祖は立派な方でしたか?凄い方でしたか?

……などと聞くと「どうせウチの祖先なんて大したことないよ。ケッ」「だいたい令和の現代において、家柄自慢なんてバカバカしい」と思われる方が(筆者を含め)少なくないかと思います。

まぁ祖先が歴史上の偉人や成功者だと、誇らしい気持ちも解らなくはないものの、一方でその遺産を食いつぶしてしまっているような劣等感があるのかもしれません。

むしろ祖先に関係なく、むしろ自分の代でもっと御家を盛り上げようくらいの意気込みを持った方が、人生楽しそうです。

そんなことを昔の武士たちも思っていたようで、今回は武士道バイブル『葉隠(はがくれ。葉隠聞書)』より、子孫の心得について紹介したいと思います。

立派な祖先を誇るよりも……

一九七 「先祖の善悪は子孫の請取人次第。」と遊ばされ候。先祖の悪事を顕はさず、善事になり行く様に、子孫として仕様あるべき事なり。これ孝行にて候。
※『葉隠』巻第一より

【意訳】「先祖の良し悪しは子孫しだい」とおっしゃった。先祖が立派な人だったと認められるよう振る舞うことが、子孫としての孝行である。

……文章に主語がないから断定は難しいものの、このセリフは『葉隠』口述者の山本常朝(やまもと じょうちょう)の主君であった鍋島光茂(なべしま みつしげ。佐賀藩第2代藩主)が発言あそばされたのでしょう。

請取(受け取り)人とは跡を継ぐ、祖先の事績を解釈するなどの意味が考えられ、祖先の評価まで高まるような振る舞いに努めることが子孫の孝行であると言っているのです。

3ページ目 立派じゃないご先祖様なんていません

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