「禿」の読みはハゲだけじゃない。遊廓の女郎見習いの少女たちは「禿(かむろ)」と呼ばれていた

雲川ゆず

「禿」という漢字を見て、みなさんはどんな読み方を想像しますか?恐らく多くの方が「ハゲ」と答えるのではないでしょうか?

しかし、この漢字には別の読み方もあるんです。それが「かむろ」というもの。これはとある髪型を表す言葉なのですが、実は狭義には遊郭とのつながりもありました。

そこで、今回は、そんな「かむろ」という言葉についてご紹介したいと思います!

「禿(かむろ)」とは?

「禿(かむろ)」とは、頭に髪がないことを言い、おかっぱ頭・肩まで切りそろえた子どもの髪型(またはその髪型の子ども)を指します。これが文献に登場するのは、古くは平安時代の『栄花物語』です。

また、平安末期ごろの成立とされる『今昔物語』にも記述がありますが、こちらはハゲの意味で使われていたようです。

また、鎌倉時代から室町時代には、男性もこの「かむろ」のような髪型をしている人がいました。これは、主に賤業をなりわいとしていた人々で、一人前として扱われず、子ども扱いされたことから、「かむろ」の名で呼ばれたという説があります。

また、江戸時代も身分が低く髷を結うことを許されなかった男性たちは、かむろ髪であり、外出するときは何か被っていたそうです。

鎌倉時代から室町時代と同じ理由(一人前として見られず、幼童として見られる)で「かむろ」と呼ばれました。

3ページ目 「かむろ」と遊郭

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