赤ちゃんの誕生というものはいつの世も大変おめでたいことで、赤ちゃんのお母さんはもちろん、夫であるお父さんにとっても幸せな出来事です。
しかし、忘れてはいけないのが、お父さんもお母さんも、「男と女」だということ。
なんと、江戸時代において、出産した女性は産後75日は夫と夜の営みをしてはいけないという俗信がありました。その75日間は夫にとっては我慢を強いられる非常にツライ期間だったようで、江戸時代にはそのことに関連する川柳がたくさん残されています。
今回はくすっと笑える江戸時代の川柳で、お父さんとお母さん、もとい男と女の攻防を見て行きましょう。
フライングしようとする夫
赤ちゃんが生まれて1ヶ月たてばお宮参り。赤ちゃんにとっては初めての晴れの日ですから、家族みんながおめでたいムードに包まれています。しかし、そんな中、夫だけは別のことを考えていたりします。
「宮参り時分願って叱られる」
我慢しきれない夫はダメ元で「もうそろそろシてもいいだろう?」とお願いして叱られます。
「宮参りさてまだ四十五日あり」
残りの45日を思うとめまいがするほどです。
我慢の限界、75日目
宮参りから45日を経て、
「今少し七十五日暮れかかり」
よし、もう少し、今少し待てばもう明日!76日目が目の前まで来ています。太陽が暮れてきただけでめちゃくちゃ嬉しい!という一句。待ちわびている夫の様子がよく伝わってくる川柳ですね。