江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜、あまり語られない隠居後は趣味人としての道をまっしぐら?

湯本泰隆

約260年にわたって続いた江戸幕府の最後の将軍となった徳川慶喜。1867(慶応3)年10月14日、大政奉還の上表を調停に提出した後、王政復古のクーデターによって将軍の座を追われた慶喜は、二条城、大阪城、江戸城を転々とした後、1868(慶応4)年2月から上野寛永寺において謹慎生活をはじめ、4月には水戸の弘道館においても謹慎生活を余儀なくされました。

そして、同年5月、徳川家を継いだ家達の後見人・松平確堂から駿府(現・静岡県)への移転を求められ、これが新政府によって認められたことにより、静岡で生活することになりました。

そのため、ここにきてひとまず激動の社会から一歩引いたところへ身を置くことができた慶喜でしたが、その後の彼は世の中から気を紛らすかのように趣味の世界に没頭するようになります。

4ページ目 慶喜、まずは油絵の道へ!?

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