そうだったの!?日本のキャラメルはかつて ”禁煙用のお菓子” として販売されていた

湯本泰隆

日本初の国産キャラメルは、森永製菓の創業者である森永太一郎(1865〜1937)が1899(明治32)年に販売を開始しました。

佐賀県伊万里出身で、日本の「西洋菓子のパイオニア」「菓子王」と呼ばれる太一郎は、1865年(慶応元年)、佐賀県伊万里で陶器問屋の家に生まれました。

叔父の手ほどきにより陶器商になりましたが、24歳の時にサンフランシスコに渡り、その後天職となる製菓業と巡り合います。

まだ日本の食糧事情が良好ではなかった時代、「栄養のあるおいしいお菓子を食べてもらいたい」という強い想いで11年もの間、異国の地で修業し、1899(明治32)年にようやく帰国、東京の赤坂溜池にわずか2坪の「森永西洋菓子製造所」を開業しました。

太一郎が最初に手がけた菓子はマシュマロでしたが、これが駐日米国公使の夫人らに気に入られると、瞬く間に「森永の洋菓子」は上流社会で一目置かれるようになりました。

3ページ目 なんと煙草代用として販売されていたキャラメル

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