先日の記事で、イザナギとイザナミの夫婦が呪いの言葉を吐き、別れてしまった顛末をご紹介しました。
「日本最古の呪いの言葉」は妻から夫へ向けてのものだった!人の寿命が定められたある神話の悲劇
呪いと聞くと、とても恐ろしいイメージがありますよね。しかし、その呪いの起源は一体いつなのでしょうか。そこで日本の神話を辿ってみると、ある夫婦の物語から、日本最古ではないかと思われる呪いの言葉が…
実は、この夫婦が黄泉比良坂(よもつひらさか)で言い争ったとき、ククリヒメノカミ(菊理媛神)という女神が仲裁したとも伝わっているのです。
このエピソードから、ククリヒメノカミは死者と生者の仲を取り持つイタコの先祖だと考えられています。
死者と生者の仲を取り持つ
イザナギはこの世からあの世、つまり黄泉の国へイザナミを迎えに行きました。しかし黄泉比良坂で二柱は大喧嘩しています。
この場面で登場したククリヒメノカミは、つまり死者と生者の仲介役だと考えられるのです。そして巫女(シャーマン)のような存在だと言われるように。
古来、巫女は祖先の霊や神の言葉を伝える役割を担っていました。現代では死者の言葉を伝えるというと、イタコが思い浮かぶかと思います。
イタコは口寄せを行う巫女とされているので、ククリヒメノカミはイタコの先祖とも考えられるのです。