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六本木ヒルズで時代劇が撮れる日到来!そこで東映・時代劇の歴史を振り返ってみます

六本木ヒルズで時代劇が撮れる日到来!そこで東映・時代劇の歴史を振り返ってみます

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2015/04/09

先日もJapaaanで紹介しましたが、Youtubeと東映がタッグを組んだ新たなプロジェクト、『YouTube Space 時代劇 with 東映太秦映画村』にエールを送りつつ、東映時代劇の歴史について調べてみました。

実はこの時代劇、このところの不景気もあり、「時代劇は衣装、カツラ、小道具、大道具…、すべてにお金がかかって大変」ということで、映画会社も放送局も敬遠する傾向にありました。

現在テレビで放送している時代劇は、再放送を除くとNHK大河ドラマの『花萌ゆ』、NHK木曜時代劇の『かぶき者慶次』、NHK-BS時代劇の『神谷玄次郎捕物控』くらいでしょうか。

時代劇はお金の面だけでなく、監督や脚本家にも時代劇ならではの知識が必要とされます。また時代考証、所作指導、殺陣の振付けはもちろん、時代劇独特の美術・大道具・小道具・照明・音声など、特別なスタッフが必要です。そして役者さんにも着物の着付けや所作、殺陣の技など、時代劇ならではの芸が要求とされます。

でもこのままでは時代劇の技術を伝承する機会が無くなり、時代劇存亡の危機が訪れるかもしれません…。

そのような状況下で時代劇のための新たなプロジェクトを立ち上げたのが、今まで数々の名作時代劇を製作した東映太秦映画村と、動画配信で世界を動かそうとしているYouTubeでした。

現在、ロサンゼルス・ニューヨーク・ロンドン・サンパウロ・東京、世界5ヶ所で開催しているGoogle主催のYouTube クリエイター支援プログラム、『YouTube Space』。

東京の六本木ヒルズ森ビル26階にある『YouTube Space Tokyo』が東映がタイアップ、『YouTube Space 時代劇 with 東映太秦映画村』がスタートしました。

『なんと時代劇の撮影スペースをYouTubeと東映が提供!本格的な時代劇を作っちゃおう!』(Japaaan)

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YouTube日本版公式ブログより

東映映画の歴史

昭和26年(1951年)、東映は、それまでGHQ(連合軍総司令部)の指令により自粛していた時代劇の製作を再開しました。

昭和27年から片岡千恵蔵、市川右太衛門主演の『旗本退屈男シリーズ』『水戸黄門漫遊記シリーズ』を量産して大ヒット、昭和29年には中村錦之助、東千代之助、美空ひばり主演の『笛吹童子』『紅孔雀』を大ヒットさせ、昭和31年には『赤穂浪士』『旗本退屈男・謎の決闘状』が大ヒット、昭和32年の『鳳城の花嫁』は、全国52の直営館、1600の契約館で上映されたほどでした。

この頃からテレビの普及により、映画は下降線を辿りますが、昭和36年には『宮本武蔵』5部作がスタート、昭和38年には『十三人の刺客』と『武士道残酷物語』がヒットします。

そして昭和50年には『東映太秦映画村』をオープン。時代劇に使用するセットや衣装を体験できるテーマパークとして多くの観光客に親しまれてきました。

そして昭和53年には『柳生一族の陰謀』『赤穂城断絶』が、昭和54年には『真田幸村の謀略』が、平成17年(2005年)には『男たちの大和/YAMATO』がヒットし、平成26年(2014年)に東映京都撮影所所属の斬られ役・橋本清三主役の『太秦ライムライト』がヒットしました。

dvd
『太秦ライムライト』
http://www.uzumasa-limelight.net/news3.html

東映・時代劇テレビの歴史

一方、衰退する映画に変わって台頭したのがテレビでした。

昭和33年(1958年)にテレビ時代劇第一号の『風小僧』(主演・目黒祐樹)が放送され、昭和35年に『白馬童子』(主演・山城新伍)、昭和39年『忍びの者』、昭和40年『新選組血風録』『素浪人月形兵庫』、そして昭和41年に『銭形平次』(主演・大川橋蔵)の放送がスタートし、放送期間19年、放送回数888回という大記録を打ち立てました。

昭和42年に『仮面の忍者赤影』、昭和43年に『大奥』がヒット、昭和44年(1969年)からは『水戸黄門』がスタートし、こちらも2011年まで放送期間42年という、驚異的な長寿番組となりました。

その後も昭和45年に『大岡越前』(主演・加藤剛)と『遠山の金さん捕物帳』(主演・中村梅之介)が、昭和51年に『桃太郎侍』(主演・高橋英樹)、昭和53年に『吉宗評判記・暴れん坊将軍』(主演・松平健)、昭和62年に『三匹が斬る!』(主演・高橋英樹)がヒット、2003年からはフジテレビ系で放送された『大奥』がヒットしました。

老若男女、皆がよく知っている数々の時代劇を製作してきた東映。
時代劇の技を後世に伝え、素晴らしい時代劇を作り続けていくという使命を背負った東映を、これからも応援していきたいですね!

東映『YouTube Space 時代劇 with 東映太秦映画村』HP

『YouTube Space Tokyo』HP

 

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