先日、時代劇を観ていて訊かれました。
「具足(ぐそく)も甲冑(かっちゅう)もすべて鎧(よろい)なのに、なんでそれぞれ呼び方が違うの?」
意外とごっちゃにされやすいこれら「鎧」に関する言葉たちについて、今回はその違いをメインに、鎧のバリエーション(平安時代以降)を紹介していきたいと思います。
以前、槍(やり)と矛(ほこ)の違いに関する記事も掲載しましたのであわせてどうぞ。
槍(やり)と矛(ほこ)の違いは何?その構造から見えてくる先人たちの創意工夫
「楚人有鬻盾與矛者(意訳:楚の人で、盾と矛を鬻ぐ=売る者があった)……」※『韓非子』より。漢文の授業で「矛盾(むじゅん)」の故事成語を習った記憶のある方も多いと思いますが、先刻こんな質問が…
鎧(よろい)
そもそも、戦に際して身に「よろう(表面を包み込む意味の動詞)」ものであるから「よろい」と呼ばれました。
漢字は「金(属)」で出来た「よろい」を着て動くと「豈(ガイ)々」と鳴ったことから、金(部首)+豈(形声)=「鎧」となりました。