1000日も穀物絶ち!
聞いたことがある人もいると思いますが、生きながら入滅し、仏になることを目指す究極の修行です。誤解している方もいるかもしれませんが、死んだ後に内蔵を取り出し、防腐加工をするミイラとはまるで違います。
即身成仏になる過程は大変過酷で壮絶です。
まず、体づくりをするために米、大麦、小麦、小豆、大豆の五穀を1000日間断ちます。それが終わると山を降り托鉢に回ります。托鉢中にもらったお布施や食料は、「布施の行」として貧しい人たちに配ります。
喉から手が出るほど飢えているはずなのに、それを手放す峻烈な信仰の力には頭が下がります。
更に五穀に加え更に粟(あわ)、稗(ひえ)、蕎麦、とうもろこし、きびを加えた十穀を1000日間絶ちます。
会わせると二千日。約五年半!
ここに至るまでに、体の弱い人は蛋白質不足で死んでしまうのではないでしょうか。いえ、それよりも先に心が挫けてしまう僧も多いのでは。
この十穀絶ちをこえると「木食行」に入ります。口にできるのは木の実、木の皮、木の根、山菜、きのこ、筍など。もはや生きていける気がしません。僧侶はこの時点で皮と骨だけになっているそうです。