日本神話の神様と言うとどれくらいの大きさを思い浮かべますか?偉大さを印象付ける巨大な姿、もしくは人間味ある神様なので私達に近いサイズでしょうか。しかし、日本神話には小さな身体と反比例した大きな才能を持つ神様がいます。それが今回紹介する少彦名命(すくなひこなのみこと)です。
指から転げ落ちた天界のミニマム神様、出雲に行く
(大阪市の少彦名神社)
本項の主人公・少彦名命の出身地は天界で『古事記』ではカムムスヒ、『日本書紀』ではタカミムスヒと言う神様が親だと言われています。少彦名命は地上を治める大国主命を助けるために天から降りるのですが、その小ささゆえのハプニングを起こしてしまうのです。
彼の体は非常に小さく、親の神様が手に載せると指の間から転げ落ち、ガガイモと言う薬草の殻を船にし、小鳥の羽根(もしくは蛾の皮)を着物にする程です。また、いたずらっ子だった少彦名命は、地上へ行っても大国主命らを相手にいたずらを引き起こします。『風土記』によると彼が粘土を担ぎ、大国主命が排便をしないと言う条件でガマン大会をしたのだから、そのやんちゃぶりは神っていたのです。