先日紹介した、「源氏物語」の作者・紫式部による女房批判。
「とんでもない女!」源氏物語の作者・紫式部の痛烈な清少納言バッシングの真意とは?
「清少納言こそ、したり顔にいみじう…」紫式部の痛烈批判『源氏物語』の作者・紫式部による日記には、他の女房たちを批判している箇所があります。その中でも特に有名なのが、『枕草子』の作者としてやはり彼女…
批判をした中でも有名な相手が、平安時代を代表する女流作家の1人として知られる清少納言です。彼女によって書かれた『枕草子』は、エッセイという文学ジャンルの草分け的存在として、現代まで多くの人々に愛されてきました。古典文学にあまり興味がなくても、「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく……」という書き出しをご存知の方は多いのではないでしょうか。
「ステキ!」が満載の『枕草子』は平安時代版SNS?
『枕草子』の内容は大きく分けて3つ。「鳥は」「木の花は」などで始まる「◯◯は△△が良い」的な「類聚的章段」、「春はあけぼの」に代表される周囲の出来事や自然などを観察した「随想的章段」、そして清少納言の宮仕え生活を綴った「日記的章段」に分かれています。
随所に「いとをかし」の世界観が描かれ、充実した宮中での生活が垣間見えるこの作品。当時の読者たちから見ればさながら、TwitterやInstagramに代表される現代のSNSのようで、「いとをかし」は「カワイイ」や「インスタ映え」に近い感覚だったかもしれません。しかし、清少納言自身が『枕草子』の執筆を始めたきっかけは、現代の若者のような「インスタ映え」を狙ったようなものではありませんでした。
では、彼女は何のために「ステキ」がいっぱいの作品を書き始めたのでしょうか?