江戸時代から愛される金魚ねぶた
金魚ねぶたは、青森県の民芸品として知られる金魚の形をした「ねぶた」です。ちょうちんを思わせる赤くて丸いボディに、これまた丸い目と大きく広がった独特の形の尾びれ、金魚のエラから出てくるあぶくを模したひらひらを持ったねぶたは何とも愛嬌があり、青森のお土産品としても不動の人気ですね。
「ねぶた」とは東北地方の夏祭りの一種で、人々が人形や扇形をした大きな山車灯籠を引いて街中を練り歩く行事のことですが、お祭りで引かれる大きな山車灯籠そのものを「ねぶた」「ねぷた」と呼ぶこともあります。
「金魚ねぶた」は、元々はちょうちんの形ではなく、灯籠として作られていたもの。いつ頃誕生したのかは定かではありませんが、文久年間(1861〜64年頃)のねぶた祭を描いた「津軽年中風俗画巻」などの絵に金魚ねぶたが登場していることから、この頃には既に祭に欠かせないものとなっていたことが分かります。
ねぶた祭の期間中には、子供たちが金魚ねぶたをちょうちんのように持ち歩いたり、バス乗り場、飲食店など、街中に赤い金魚があふれかえります。また「金魚ねぶた」をモチーフにしたキーホルダーや根付けの他、羊羹やうちわなどの関連商品も数多く販売され、定番となっています。