十二支の動物は「実在の動物」。あれ・・・?
今年の干支の「戌=犬」をはじめ、十二支の動物として選ばれているのは、ほとんどが実在の動物です。でも1つだけ実在していない動物「辰=竜」が含まれています。
毎年の年賀状も、「戌年」や「午年」などには誰が見ても犬や馬と分かる絵や写真の葉書が送られて来ますが、「辰年」だけは「タツノオトシゴ」「ドラゴン」「恐竜」「トカゲ」など、様々な「竜っぽい生き物」の画像付きの葉書が送られてくることもしばしば。
なぜ、誰も見たことのない架空の動物が、十二支に選ばれることとなったのでしょうか?
架空の動物である竜は恐竜の化石?
竜が干支の動物に選ばれた理由は、干支の起源である古代中国では「竜が実在する」と信じられていたためです。生きている竜を見た人はさすがにいなかったでしょうが、中国には古代から「竜の骨が見付かる」と言われる場所があったのです。それもそのはず、中国は現在でも、世界的に恐竜の化石が多く発見されることで知られる国なんです。
古代中国で恐竜の骨が見付かり、それが「竜の骨」と信じられていても、全く不思議ではありません。しかも発掘調査が進む前の地層では、鳥とも爬虫類とも言えないような大きな生物の化石が、ほぼ全身分そのまま発見されることもあったでしょう。
そんな竜は、中国やその文化的な影響を受けた朝鮮半島、琉球王国などで、長い間神獣・霊獣とされ、皇帝・国王の象徴とされていました。神聖な生き物である竜を十二支に入れないということは、考えられなかったのですね。