江戸時代、オトナのおもちゃ屋さんといえば、両国米沢町にあった四ツ目屋(四目屋)。顔もよく見えないほど薄暗い店内で、買う時は、奥にいる店員に声をかけていたよう。
ここでは、長命丸や女悦丸などの媚薬、張形などの淫具が販売されていました。長命丸は、男根に塗ると堅くなり長時間持続するというもので、現代でいうところのバイアグラでしょうか。これは使いすぎると精を吸い取られ短命になるといういわれもあったとか。きっと、道具に頼りすぎてはいけないということですね。
一方、女悦丸は、粉を水に溶いたものを交合直前に膣内に入れると、内部が痒く膨れて強烈な快感を得られるもの。こうした薬を使って、ここぞとばかりに「ヌカ三(抜かないまま3回交合する)に挑戦する男性が多数いたとか。
バラエティ豊富な張形
張形には女が1人で使うタイプ、女が2人で同時に楽しむタイプ、挿入して楽しむタイプもあれば指につけて女性器を刺激してエクスタシーを得るタイプなど、実にさまざま。たとえ肥後ずいきは、ハス芋の茎を干して紐状にしたものを巻き付けて使用するのですが、水分を含むと刺激物を出すので、これを出し入れするうちにエクスタシー…という仕組みだったようです。
最高級品の鼈甲(べっこう)の張形になると、なんと1両!当時下女の年収が約2両だったので、かなりの高級品であることがわかりますね。庶民にはとても手が届かず、専ら水牛や木で作った張形を愛用していたそう。
3ページ目 ヘイコノインポってなんだ?大奥の女中たちも御用達の四ツ目屋