妖怪との遭遇率高し!?江戸時代、山の中にはどんな妖怪が棲んでいた?

阿部裕子

日本では古来より、神聖な場所と考えられた山の奥に立ち入ることは禁忌とされていました。山は異界とされ、人びとは畏怖の念を持っており、妖怪が現れやすい場所の一つとされていました。山に現れる有名な妖怪としては、天狗や山姥などがあげられます。

山の実力者、天狗

山の実力者とも言われた天狗は、人々に畏れられていた存在で、知恵の深さや力を自慢したがり、空を自由に飛べるのが特徴です。一口に天狗といっても、赤い顔に高い鼻の鼻高天狗、鳥のようなくちばしの烏天狗など様々な種類がいるとされていました。江戸時代、日本には天狗が12万5000以上いるといわれていて、かなり多かったようです。高尾山や京都の愛宕山などが、天狗が棲む山として知られていました。

山深くに棲む山姥

山姥も、山の奥に棲む妖怪として有名ですね。人食い鬼のように、人に危害を加える山姥もいる一方で、継母とその実子に虐げられている少女を助けたりと幸せをもたらしてくれる山姥もいたようです。

浮世絵にも山姥が金太郎を可愛がっている作品が残されており、ただ怖いだけの存在ではなかったようです。歌麿の作品に描かれた山姥と金太郎は、むしろ微笑ましい光景。

3ページ目 ユニークな名前もたくさん!日本各地の山の妖怪たち

次のページ

この記事の画像一覧

シェアする

モバイルバージョンを終了