血判、切指、入れ墨も…江戸時代の遊女はあの手この手で客の心を掴んでいた

阿部裕子

遊女は、自分のお客さんに来てもらうために、あの手この手を使います。客が心変わりしないようにいろんな方法で「私はあなたのことをこんなに大事に思っていますよ」と気持ちを表していました。

想いを血判や爪に込めて

お客への気持ちアピールの一つが、起請文(きしょうもん)です。これは、自分の行いを神仏に誓うことを記した文書のこと。熊野神社などが発行する誓紙に、指先をちょっとだけ切って血を出して血判を押していました。遊女は75枚まで発行できたというから、相当数の起請文をいろんな客に渡していたのでしょう。

遊女が自らの爪をはいで客に渡すという放爪(ほうぞう)というのもありましたが、自分の爪を本当にはいでしまったら仕事になりません。なので、妹女郎の爪をあたかも自分の爪のように渡していたのです。

断髪は、その名の通り髪の毛を切って渡すというもの。相手に直接髪を切ってもらうのが原則なのですが、妹女郎の髪を前もって切っておいたのを渡した遊女もいたとか。

2ページ目 わたしの小指をあなたにあげる。愛の証に切指、入れ墨…

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