吉原で遊ぶときのマストアイテムといえば、吉原細見。いわば、吉原のガイドブックです。これを見れば、妓楼の名称や場所、遊女の名前や揚代が一目瞭然!遊女の名前の上についている印をみれば、遊女の階級もわかります。
吉原に初めて来た客にも、とても重宝がられていました。この吉原細見は、江戸市中でも売られていましたが、吉原内でも細見売りと呼ばれる男が立ち売りしてたそうな。これを見て、お目当ての遊女を探したり予算内で入れる妓楼を見つけていたのですね、きっと。
見やすさがアップしていく吉原細見
最初は一枚摺りの絵図で、縦60~80㎝、横80~90㎝で折り畳めばコンパクトになるタイプでした。とはいえど、やはり広げてみるには、ちょっと大きいので見にくいことも否めません。そこで、享保12年(1727年)に伊勢屋が縦13㎝、横15㎝くらいの冊子型の吉原細見を売り出したら、これがあっという間に大人気に。一枚摺りのときとサイズを比べてみると、かなりコンパクトになっているのがわかります。この、若干横のサイズのほうが大きい「横本」形式が、しばらく続きました。