2つの型がある土俵入り
2017年に入り、稀勢の里関が新たに大相撲の横綱へ昇進。日本出身の横綱は、若貴兄弟で人気となった三代目・若乃花以来ということで、かなりの話題となりました。
大関から横綱に昇進すると、それまでとは違い、「土俵入り」を単独で行うようになります。一見すると横綱はみんな同じように行っているような「横綱土俵入り」ですが、実は2種類あるのです。
雲竜型
雲龍久吉という横綱が行っていたことから「雲竜型」と呼ばれるようになった型です。
特徴は、化粧まわしの上に締める「横綱」の結び目の輪が1つであることと、土俵入りの際に土俵の中央で四股を踏んだ後の「せり上がり」の時、左手を胸の辺りに当て、もう一方の手は伸ばしていることです。これまで、多くの横綱がこちらの型を選択しています。
「大横綱」として知られる双葉山、大鵬、北の湖、千代の富士などが行ってきたため、縁起が良い型と言われてきた一方、横綱在位場所数歴代最短の前田山、最短記録2位の三重ノ海も雲竜型だったことなどから、必ずしもそうとは言い切れない部分もあるようです。