あなたもいかが?歴史上の権力者たちを虜にしてきた香木『蘭奢待』の香りを現代に再現【奈良・正倉院】

織田信長をはじめ、数々の権力者が截香(※)してきた香木・蘭奢待(らんじゃたい)。現代も奈良の正倉院で保管されています。

(※)せっこう。香木を切り取って香りを聞く儀式。特に貴重な香木については、権力を味わう目的がある。

一体どんな香りがするのか、そもそもどこからやって来たのか……私たち一般庶民にとっては無縁の存在でしたが、今回の最新調査でその謎が解明されました。

今回はそんな蘭奢待の謎に迫ってみたいと思います。

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蘭奢待の基本データを確認

まずは蘭奢待について、基本データをまとめておきましょう。

沈香(じんこう)とはジンチョウゲ科の樹木が傷ついた際に生成された樹脂を指し、沈香という名前の樹木がある訳ではありません。また、すべての原木が香りを発する訳でもないようです。

またインドシナ半島産の沈香をシャム沈香(シャムはタイ王国の別称)、インドネシア産の沈香をタニ沈香(パタニ王朝に由来)と呼び、それぞれ香りに個性があります(シャム沈香は甘め、タニ沈香は苦め)。

2ページ目 蘭奢待の香りを現代に再現!

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