江戸時代、美顔料として鳥の糞が使われていたと言います。
特に鶯(ウグイス)の糞は珍重されたそうで、これらを買い集める商売までありました。
鶯の くそで小ざむ(小侍≒浪人)は 銭もうけ
本当に効果はあるのでしょうか?効果があったとしても嫌ですが、どんな成分が効いているのか気になるところです。
という訳で今回は、江戸時代に使われたウグイスなど鳥の糞について紹介します。
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平安時代から利用されていたウグイスの糞
ウグイスの糞を利用するようになった歴史は古く、その知恵は平安時代に大陸や半島から伝わったそうです。
日本では絹織物の汚れを落とすためにウグイスの糞を利用していましたが、江戸時代に入ると美容目的で使われるようになりました(諸説あり)。
芸者や歌舞伎役者は亜鉛や鉛を含んだ白粉(おしろい)を顔に塗ることから肌荒れがひどく、化粧をしっかり落とす必要があったそうです。
それで「ウグイスの糞を試してみよう!」と思いつくセンスはなかなか真似できませんが、恐らくは「絹織物の汚れを落とせるなら、肌もツヤツヤにしてくれるかも知れない」などと思ったのでしょう。
また絹織物のシミ抜きに使っている職人の手がみんなキレイであったと言われ、美容効果が期待されたのかも知れません。
使い方としては、乾燥させて粉状にしたウグイスの糞を糠袋(※)に加え、丁寧に肌をぬぐいました。
(※)糠袋(ぬかぶくろ)とは、布などの巾着に米糠や豆の粉を入れて身体を洗い、かつスキンケアを行う道具です。
……使い慣れない立場からすると、想像しただけでうんざりしてしまいますね。しかしお江戸の人々は、キレイな肌を目指してせっせと磨き上げたのでした。
