【大河ドラマ べらぼう】幕府の弾圧に屈せず「解体新書」など名著を世に送り出した版元・須原屋市兵衛(里見浩太朗)

須原屋市兵衛
すわらや・いちべえ

『解体新書』など先進的な本を出版した、時代を代表する書物問屋の店主

日本橋の中心地に店を構え、漢籍や学術書、辞典などを扱う大手本屋の商人でありながら、平賀源内や杉田玄白などが書いた“新しい本”を数多く出版する個性的で革新的な版元(出版人)。幕府の弾圧を逃れながらも『解体新書』や『三国通覧図説』など“世の中を変える本”を次々と出版する挑戦的な版元であった。

※NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華之夢噺~」公式サイトより。

令和7年(2025年)NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華之夢噺~」、皆さんも楽しみにしていますか?

後世「江戸のメディア王」と称される主人公・蔦重(つたじゅう)こと蔦屋重三郎(つたや じゅうざぶろう。横浜流星)の生涯がパワフルに描かれることでしょう。

江戸出版界の風雲児!2025年NHK大河ドラマ『べらぼう』の主人公・蔦屋重三郎は流行の仕掛人だった!

江戸の出版界を牽引する2025年1月5日から放送予定のNHK大河ドラマ第64作『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の主人公である蔦屋重三郎(つたや・じゅうざぶろう)が登場した当時は、どんな時代だったので…

そんな蔦重の周りには、魅力的な個性を持つ人物が多数活躍していました。

今回はそんな一人・須原屋市兵衛(すはらや/すわらや いちべゑ)を紹介したいと思います。

須原屋市兵衛・三代の足どり

須原屋市兵衛は生年不詳、宝暦年間から文化年間にかけて活躍した版元(出版者)の一人で、須原屋茂兵衛(もへゑ)から暖簾分け(独立)しました。

三代にわたって襲名され、大河ドラマに登場するのはその初代かと思われます。

【歴代の須原屋市兵衛】

当局の弾圧にも屈することなく多くの名著を世に送り出した須原屋市兵衛。

しかし寛政4年(1792年)に重過料(罰金刑)を受け、また文化3年(1806年)の大火事(文化の大火)で打撃を被ったことで次第に経営が傾きました。

二代目が亡くなった後は共同出版のみとなり、三代目の死によって須原屋市兵衛の名(株)は休株(襲名する後継者が絶えた状態)となったのです。

墓所は浅草の善龍寺。江戸が東京となった現代も、人々の営みを見守っていることでしょう。

3ページ目 須原屋市兵衛が世に送り出した主な書籍

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