【光る君へ】人の不幸は蜜の味?夫の愛人に嫉妬した道綱母(財前直見)のエピソード

藤原兼家(段田安則)の妻として、藤原時姫(三石琴乃)と正室の座を争っていた道綱母(財前直見。役名は藤原寧子)。

かつては美貌と才覚をもって知られた彼女ですが、その嫉妬深さと嫌味っぷりから次第に夫から疎まれ、時姫との格差が開いていきました。

そんな中、兼家が新たな女「町小路(まちのこうじ)」に入れ込み始めます。

このままでは、ますます自分の立場が危うくなっていくばかり。今回は道綱母がとった対策を紹介。果たして上手く行ったのでしょうか。

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時姫との共同戦線を画策するが……。

まず道綱母は時姫に対して手紙を送りました。

「近ごろ『私の夫』があなたのところへ寄りつかなくなったと聞きました。お寂しい心中をお察しいたします。まったく、一体どこをほっつき歩いているのでしょうね(意訳)」

そこへさへ かるといふなる 真菰草(まこもぐさ)
いかなる沢へ ねをやどるらむ

【意訳】水の底まで根をのばす(かける)という真菰草は、どんな激流に押し流されたのでしょうね。

兼家を水草に喩えて、自分たちという水底に根を張ってくれない腹立たしさを共感してみせる作戦です。

これで共同戦線を張って、共に「町小路」を追い出そう……そんな計画を立てたものの、時姫はお見通しでした。

「あら。『あの人』はてっきり貴女のところへ根を張っているのかと……となると、どこへ行ったのでしょうね?(意訳)」

まぁいつもの事だし、ほっとけばその内帰って来るでしょう……時姫が余裕の素振りを見せます。

これはつまり「貴女とつるむつもりはありません。どうして私が貴女と同格にならなくてはいけないの?」という意思表示に他なりません。

格の違いを見せつけられて、道綱母はさぞ悔しがったことでしょう。

2ページ目 町小路の不幸を喜ぶ道綱母

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