幕末に活躍した人物の中でも、沖田総司や土方歳三をはじめとする新選組の隊士たちには個性的な人物が多く、そのために歴史ファンの間でも人気があります。
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現代にも多くのファンを持つ、幕末に活躍した「新選組(しんせんぐみ)」。実は、新選組の活動が幕末のたった5年間というのは意外ですよね。今も多くの人に愛される理由の一つに、個性的な組長たちの存在…
その新選組の中で最も個性的なエピソードが多い人物の1人が、槍の名手でもある原田左之助(はらださのすけ)です。
大河ドラマ『新選組!』では奇しくも2019(平成31)年より「れいわ新選組」の代表となる山本太郎氏によって演じられ、一時期は「坂本竜馬暗殺の犯人」と疑われたこともある原田左之助は、1840(天保11)年に、伊予松山藩(現在の愛媛県松山市)で誕生しました。
最初は藩に奉公人として勤務していましたが、その後藩を飛び出して種田宝蔵院流槍術の免許皆伝を受け、新選組の一員となり十番隊の組長に任じられました。
池田屋事件、禁門の変、油小路事件などをはじめとする新選組が関わる戦いのほとんど全てに参加しましたが、後に新選組から離れて靖兵隊を結成し、彰義隊に参加して上野戦争で戦ったときの負傷がもとで1868(慶応4)年に29歳で亡くなったとされています。
しかし、日清・日露戦争のときに松山に「私は原田左之助だ」と語る老人が現れ、弟や甥と話をした後「満州へ帰る」と言って去ったという逸話も残っていて、そこから「左之助は上野戦争で死なずに新潟→下関→釜山→中国大陸へと渡り、馬賊の頭となった」という伝説も語られるなど、今に至るまで謎の残る人物なのです。