夏といえば、海や川、プールといった水のレジャーを楽しむ方も多いのではないでしょうか。友達同士で楽しんだり、お子さんを連れて思い出を作ったり。水と触れ合うのはとても楽しいですが、悲しいことに毎年水難事故も多く起きています。
そこで、今回の記事では、水難事故から身を守るための「命札(いのちふだ)」という文化に迫ってみたいと思います。
命札(いのちふだ)とは?
「命札(いのちふだ)」と聞くと、一瞬「どんなものなの?」と身構えてしまう方もいるかもしれません。命札とは、子どもたちが夏休みなどに学校のプールを利用するときに持って行くものです。かまぼこ板に、自分の名前や連絡先を書きます。
この命札を持って行く理由は、「水の事故を防ぐため」です。子どもたちは、学校のプールに着いたらまず自分の命札を指定の場所にかけたり、置いたりします。そして、プールから出たら再び自分の命札を回収して家に帰る、というもの。
つまり、プールに入った子どもたちが、全員無事にプールから出たことを確認するため(=数の確認)のものなんです。
命札は西日本を中心として使われている
そんな大切な役割がある命札ですが、実は、関東地方出身の私(筆者)はその存在を最近まで知りませんでした。知ったきっかけは、とあるラジオ番組。知らなかった理由は、私の生まれ育った地域では命札という習慣がなかったからです。
調べてみると、実際に愛媛や大分、兵庫県などで使われていたという体験談が出てきました。そして、それ以外の県でも、西日本エリアを中心に、この命札の習慣があるそうです。