骸骨・髑髏・スカル・シャレコウベなどいろいろな呼び方があるどくろ。
仏教では、「永遠に普遍なものはない」という真理のシンボルといわれています。昔は飢饉や疫病で埋葬されることのない遺体を捨て置いたため、野晒しになった髑髏は珍しいものではなく、仏教的なモチーフとして図像化されていました。
たとえば、千手観音の持ちものの中には「髑髏宝杖(どくろほうじょう)」という、鬼神を操れる杖があります。
骨だけの姿で蘇ったどくろは、東洋西洋問わず怪物とも妖怪ともいわれ恐れられている一方、昔から洋服やジュエリーなどファッションのモチーフとして愛されている不思議な存在です。
さまざまな捉えられ方をされるどくろですが、今回は日本の巨大などくろの妖怪「がしゃどくろ」についてご紹介しましょう。
骸骨・髑髏・スカル…は何が違うのか?
いろいろな呼び方がありますが、簡単に違いを挙げると……
▪︎骸骨(がいこつ):脊柱動物・ヒトや哺乳類の骨格のみが残っているもの
▪︎髑髏(どくろ):髑髏はどくろ・しゃれこうべ・されこうべなどいろいろな呼び方があり「頭蓋骨」を指す
▪︎スカル:骸骨や骨格のことを英語で「Skeleton(スケルトン)」、髑髏は「Skull(スカル)」
だそうです。
いずれにしても、髑髏は「死の象徴」と思われていますが、怖くて恐ろしい意味だけではありません。
仏教では「無常」「普遍のものではない」という意味があり、髑髏を身に付けると「死後も地獄に落ちない」と考えられているとか。
またメキシコでは骸骨や髑髏はカラフルな花に飾られた「Calavera(カラベラ)」(直訳すると頭蓋骨)というモチーフがあり、生きた魂を解放する「自由の象徴」とされているそうです。
そのため、11月の「死者の日」にはカラベラは家や店に飾られたり、さまざまなデザインのグッズが登場したりしています。
死・終焉などの重く深刻なイメージだけではないところが世界中で愛されている理由かもしれません。
昔から、髑髏モチーフはファッション・雑貨・アニメ・漫画・映画ほかさまざまなところで愛用されていますよね。