花山天皇(本郷奏多)が出家したことで、にわかに失脚してしまった藤原為時(岸谷五朗)。まひろ(紫式部/吉高由里子)は摂政となった藤原兼家(段田安則)に、父の再任官を願い出るも一蹴されてしまいます。
そんなまひろの窮状に心を痛め、藤原道長(柄本佑)は「妻になれ」とプロポーズ。しかし立場を考えると北の方(正室・正妻)にはできず、妾(しょう/めかけ)という扱いに。
心の中では一番と言われたって、男の気持ちなんてすぐに移ろってしまうもの。北の方でなければ嫌だと言い張るまひろに、道長は怒り出してしまうのでした。
……さて、NHK大河ドラマ「光る君へ」皆さんも楽しんでいますか?今週はまひろ一家の不遇と、右大臣家の隆盛がメインでしたね。
それでは第11回放送「まどう心」、今週も振り返っていきましょう!
藤原為時、その後どうなる?
花山天皇に忠義を尽くしたため、官職を追われてしまった為時。
「わしの命令を聞けぬと申した者を、許す訳には行かぬ」
兼家の言い分は至極もっともで、その事情を知ってお願いに上がったまひろの神経を疑うばかりです。
というか、兼家もよく面会しましたね。何の利用価値もない虫けらを相手する時間も惜しいでしょうに……。
何なら、余興として思う存分なじり倒してやりたかったのかな?と思っていました。
この世界の兼家は、本当に優しいですね。あと、何てストレートなんでしょう。
ストレートついでに「そなたの父程度なら、掃いて捨てるほどいる。自惚れるな」くらい言ってやってもよかったですね。
フィクションとは言え、平安貴族らしく思いっきり婉曲に嫌がらせをするとか、少なくとも半日は待たせっ放しにするくらいは期待していました。
あるいは人の嫌がる官職、六位に見合わない(極端に低い)官職なら空きがあると勧めてやるのも一興ですね。
例えば囚獄佑(ひとやのすけ。監獄の次官で、七位相当)なんかどうでしょうか。
「人をなぶるのも大概にしろ」とツッコミが入りそうなので、この辺にしましょう。
さて。散位(位はあっても官職はない状態)となった為時は、その後に道長が政権を掌握するまで、永らく不遇をかこつことになります。
再び官職を得るのは長徳2年(996年)、越前守に任じられました。
(本当は淡路守でしたが、為時が駄々をこねたので越前守に格上げ。ゴネ得ですね)
この抜擢は為時の学識ゆえか、あるいは道長とまひろの関係ゆえか。いずれにしても、よかったですね。