神聖な食べ物である「小豆」
寒い季節のスイーツといえば、あんこあるいは小豆を使ったものが定番ですね。今回は、このような小豆やあんこの歴史をたどってみましょう。
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そもそも「あんこ」とは何かと言うと、まんじゅうや餅などの中に詰める「詰め物の具材」というのがもともとの意味です。つまり小豆を加工したものがあんこなのではなく、それを含んだ詰め物全般を指すのです。
そういえば、餃子の中身も「餡」といいますね。
さて、あんこの原材料は小豆ですが、これは縄文時代あるいは弥生時代に、稲などと同様に日本に伝わってきたと言われています。もともと小豆の原産地はアジアの熱帯地方です。
小豆は古くから神聖な食べ物とされていました。これにはいくつかの理由が考えられます。例えば、太陽信仰にちなみ小豆の赤い色が邪気を祓う魔除けの色だと考えられたことが挙げられます。
あるいは、中国で小豆の皮の色を「陽」の色とする伝承が伝わり、災いとしての「陰」の気を封じるという考え方が採用されたのかも知れません。
いずれにせよ、こうした信仰を土台として、小豆を使った料理は神聖で特別なものと見なされるようになりました。例えばめでたい日に食べる赤飯や、邪気にやられやすい季節の変わり目に食べるぼたもち・おはぎなどがあります。
こうして、小豆は日本の食文化に深く根付いていきます。