なまはげとは何か
秋田県に伝わる民俗行事「なまはげ」は、おそらく知らない人はほとんどいないでしょう。年の瀬になると年末の風物詩としても、よくテレビでなまはげの来訪行事が行われたとニュースで報道されますね。
そもそも、あのなまはげというイベントはどのような意味や由来があるのでしょうか。
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なまはげと言えば、誰もがすぐにイメージするのが、あの鬼のような仮面をつけて藁でできた衣装をまとった姿でしょう。そして彼らは、包丁と桶を手にして地域の家をめぐります。
で、彼らは何をするのかというと、子供たちに対して「泣く子はいねがー」と吠えてびっくりさせるわけです。はたから見ていると、子供をびっくりさせるだけの行事に思えるかも知れません。しかし、あれにはきちんとした由来があります。
なまはげは、まるで鬼のようなお面をつけていますが、あれは本当は鬼ではありません。神様です。日本の民俗でいうところの来訪神にあたり、年の瀬に家々を訪れては怠け心や不和をいましめ、さらに災いを祓って豊作などをもたらしてくれるのです。
では「なまはげ」という名称はどういう意味なのかというと、もとは「ナモミ剥ぎ」という言葉です。
ナモミとは低温やけどのことで、冬場、怠け者は囲炉裏の火にばかりあたってこのナモミができます。いわばこれは怠け者の証拠であり、なまはげは、これを包丁で切って剥ぎ取っていくとされているのです。
先に書いた、人々の怠け心を戒めるというのはこういうところから来ているんですね。