まさか三郎が、母ちやはを殺したミチカネ(藤原道兼)の弟・藤原道長だったなんて……ショックで寝込んでしまったまひろ(紫式部)は、憑きものつきなどと噂されてしまいます。
そんな中、直秀の手引きでまひろと再会した道長は6年前の真相を知り、兄の非道をまひろに詫びたのでした。
「虫けらはお前だ!」
帰宅して道兼に鉄拳を奮う道長。日ごろぼんやりして見える道長の熱き心を見て「これで我が一族も安泰」と高笑いする父・藤原兼家……今週もいい感じですね!
さて、NHK大河ドラマ「光る君へ」第5回放送「告白」は、永観2年(984年)11月下旬から寛和元年(985年。永観3年)の春ごろにかけての数ヶ月間が描かれたものと思われます。
それでは今週も気になるトピックを振り返っていきましょう!
僧(植本純米)と寄坐(傳田うに)
僧「成仏を願い、不動明王の御真言を唱えつつ朝晩水垢離(みずごり)をされよ。やらねば怨念が積もり、姫は……死~ぬ~!」
死んだように眠るまひろを治療するべく招かれた僧と寄坐(よりまし)。劇中ではすごく胡散臭かったものの、当時はあれで本気の治療でした。
僧侶が祈祷することで病人の体内に憑りついた霊を外へおびき出し、それを寄坐の身体に宿らせて霊と対話し、調伏or成仏させて治療するという理屈です。霊が寄り坐す(ます。座す)から寄坐といいます。
まずはきちんとヒアリングを行い、憑りついているのが誰の霊なのかの見当をつけましょう。
そうでないと、例えば母親が生きているのに母親の霊を呼び出してしまうような失態にもつながりかねません。
合わせて病人や家族の名前などもきちんと聞き出しましょう。でないと劇中のように、母親の霊が娘の名前もきちんと呼べないようなことになってしまいます。いくら何でも「娘~」ではリアリティがありません。
要するにインチキですね。今回は実に分かりやすく演じてくれました。
「死んだように寝るのやめるから、ああいう人たち呼ばないで」
まひろが呆れるのも無理はありませんが、仮病を使ってたのは何でなんでしょうね。