「パスワード使い回し」の危険性
生活する上でパソコンやスマートフォンが欠かせない私たちにとって、パスワードは大切に管理しなければならないものです。
そこでよく言われるのが「パスワードの使い回しはいけない」ということ。とはいえ、各種サイトごとにいちいち新しいパスワードを用意するのも面倒なので、使い回しをしているという人も多いと思いますが……。
このようなジレンマは現代人に特有のものと思われがちですが、実はこの、「パスワードの使い回し問題」は今に始まったことではありません。なんと戦時中の日本でも起きていたのです。しかも、かの山本五十六連合艦隊司令長官の死と大きく関わっていたのです。
山本がアメリカ軍に撃墜されたのは、旧日本海軍の暗号管理の脆弱性が原因の一つでした。
なんと旧日本海軍は、異なる暗号書でも同じ乱数表を使い回すというやり方を採用していたのです。
これは、暗号の安全性を低下させるきわめて危険なやり方で、実際アメリカ軍はこの暗号を解読し、山本の前線巡視の計画を事前に知ることができたのです。
こうしてアメリカ軍は、山本が搭乗する予定の飛行機のルートと時間を特定し、戦闘機を待ち伏せします。
そして1943年4月18日、ブーゲンビル島上空で山本の乗る飛行機は撃墜されました。この出来事が、日本海軍にとって大きな打撃となったのはご存知の通りです。