病的な甘党
歴史上の人物で甘いものが好きだった人はいくらでも挙げられますが、かの文豪・夏目漱石の甘党ぶりはちょっと「引く」ほどのレベルです。
よく知られた話ですが、例えば彼は朝食のトーストにはバターと砂糖をたっぷり、紅茶にも砂糖をたっぷり。さらにシュークリームやアイスクリームなどの洋風菓子にも目がなく、甘いお菓子の頂きものがあれば家族に内緒で独り占めしてしまうほどでした。
おそらく彼が甘いものにハマッたのは、イギリスへの留学中でしょう。
彼は留学中にストレスのため神経衰弱に陥っていますが、甘いものを食べることでストレスを発散していたと思われます。当地のイチゴジャムにドハマリして、スプーンですくって食べているうちにひと月で8缶も空けてしまったとか。
ちなみにブドウ糖は、精神を安定させるセロトニンという物質を作り出すのに欠かせない栄養素です。彼もまた、糖分によって精神の安定をはかっていたのでしょう。
おそらく『我輩は猫である』を読んで覚えている人もいるかも知れませんが、主人公の苦沙弥先生もいわばジャム依存症状態に陥って奥さんから叱られるシーンがあります。