徳川四天王の筆頭格として、徳川家康(演:松本潤)の天下取りを支えた酒井忠次(演:大森南朋)。
NHK大河ドラマ「どうする家康」劇中では、しばしば左衛門尉(さゑもんのじょう)と呼ばれていますが、どういう意味があるのでしょうか。
そこで今回は、戦国武将や中世の武士たちが名乗った官途(かんど)名について調べてみました。
ほかの武将たちもよく使っているので、ざっくり知るだけでも時代劇がより楽しめることでしょう。
左衛門尉=「左の衛門府に仕える三等官」
結論から先に言うと、酒井忠次の左衛門尉とは「左の衛門府に仕える三等官」の官職を意味します。
- 左⇒左右(左の方が上位)
- 衛門⇒衛門府(朝廷の門を護衛する部署)
- 尉⇒三等官
尉(じょう)についてもう少し説明すると、官職は上からカミ・スケ・ジョウ・サカンの四等級に分けられていました。
カタカナ表記したのは部署によって漢字が異なるためで、衛門府であれば衛門督(ゑもんのかみ)・衛門佐(~のすけ)・衛門尉(~のじょう)・衛門志(~のさかん)となります。
尉と志については更に大尉(だいじょう)と少尉(しょうじょう)、大志(だいさかん)と少志(しょうさかん)に分かれました。
だから酒井忠次についても、厳密には大尉か少尉かのどっちかであるはずですが、詳しいことは不明です(だって私称だもの)。
ちなみに近現代の軍隊における大尉(たいい)・中尉(ちゅうい)・少尉(しょうい)の階級はこれに由来します。
なお、左衛門府に対して右衛門府は「(う、を略して)ゑもんふ」と読み、官職についても右衛門督(ゑもんのかみ)などと読むのが通例です。