Japaaanでは以前に、仏教起源の日本語を紹介しました。
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実は、日本神話に起源を持つ日本語も存在しています。今回は、そのような言葉を少し紹介していきます。
満員電車に揺られながら、自宅から会社へと出勤する日々を送る。あるいは、家で同じような作業を繰り返すなど、毎日同じことを繰り返していると、「新しい刺激」もなくなり、「あー、なんか面白いことないかなぁ。」なんて思わずつぶやいてしまいがちになってしまいます。
このように、普段から何気なく使っているこの「面白い(おもしろい)」という言葉は、実は日本神話に起源を持つ日本語なのです。
「面白い」の「面(おも)」とは、「面(おもて)」のことで、顔や目の前が白くはっきりとした様子を表していています。そして、この言葉の起源は、日本神話にまつわる「天岩戸隠れ」という有名なエピソードが元になっているといわれています。
神話では、「太陽神である天照大御神(アマテラス)が天岩戸に隠れてしまい、それによって世界が暗闇に包まれ、世界が乱れてしまった」と伝えられています。
世の中を正常化し、治安を良くするためには、再び世の中を光に満ちた明るい世界にしていかなければなりません。そこで、神々は、天照大御神の隠れてしまった岩戸の前で、賑やかに宴を催し、その中央に芸能の神である天宇受売(アメノウズメ)を歌い踊らせました。
天照大御神がその賑やかな様子が気になり、外を覗いてみようと少しだけ岩戸を開いたところ、光によって周りの神々の顔(面)が白く照らされはっきり見えるようになりました。
その様子が、「あはれ あなおもしろ あなたのし あなさやけ をけ」と、古くから伝わる歌謡に伝えられています。
「たのし」は「手伸し」と書き、手を伸ばして喜び舞う様子、つまり「楽しい」の語源ですね。天照大御神が岩戸から戻られ、暗かった世界が白く明るくなり、皆が手を伸ばして喜んでいるさまが目に浮かぶようです。
そして、今でもそのままの意味合いで使われているのが、古い言葉を大切にしている日本人らしいところですよね。