「サバを読む」の由来は何!?魚の数え方からなのか食事の作法からなのか

湯本泰隆

魚料理は、日本食に当たり前のように定着していますが、中でも魚のサバは、平安時代に書かれた『今昔物語集』にも出てくるほど、昔から日本人にとってなじみやすいの一種です。

魚の「サバ」という名前の由来には、歯が小さいことから『小歯(さば)』を語源とする説や、“たくさん”を意味する古語の『サハ』が変化して、「サバ」という名前になったする説があります。

ところで、日本語には、この魚由来の慣用表現で『サバを読む』という言葉が使われています。

これは、自分の年齢や体重なんかを実際の年齢よりも少なく公言したりして、数を自分が有利になるようにごまかすことをいいます。

一般的には、江戸時代,収穫したサバは、たいへん傷みやすかったため、大量のサバを売りさばくために、数えるときに急いで数を読み、実際の数を数えまちがえることが多かったから、といわれています。そこから転じて、「いい加減に数を数えること」や「数え間違いのこと」を「サバを読む」と呼ぶようになりました。

ちなみに、「数を読む」ということから、「サバをいう」ではなくて、「サバを読む」といっています。

「サバを読む」は他にも、仏教由来の言葉だと考える説もあります。これによると、「サバ」という言葉は、仏教僧たちが、餓鬼に施すため、食べる前に自分の飯椀の中からご飯を少し取り分けておくという「生飯(さば)」という作法からきているそうで、この「生飯」では、餓鬼の分も考えて、少し多めにご飯の準備することから、転じて「生飯を読む」といったそうです。

言葉の由来が、「サバの数え方」から来たとしても、修行僧の作法の「生飯(さば)」から来たとしても、魚も仏教も、両方とも日本人の生活にすっかりなじんでいるものですので、いずれにしても日本人独特の表現といえそうですね。

参考

『今昔物語集』巻12第7話「於東大寺行花厳会語 第七
小松 寿雄ら (編)『新明解 語源辞典』第8版(2011 三省堂

 

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