「モールス信号」から電報へ
戦前の時代を扱ったドラマや映画でよく登場する「電報」。皆さんも聞いたことはあると思います。
電報とは、電気通信の仕組みを活用した文書配送サービスのことです。通信内容を電気通信で伝送し、それを紙などに印刷して配送します。
実はこの「電報」は、電話などよりもずっと古く、長い歴史があります。
電報が誕生したきっかけとなったのは、1837年にアメリカの発明家サミュエル・モールスによって発明されたモールス信号です。1844年に、モールス信号の技術を用いて文章を送ることに成功したことにより、世界で初めて電報の仕組みが実用化されました。
電報サービスが日本に登場したのは明治2(1869)年のことで、導入当初は東京~横浜間だけで利用できました。
当時はまだ電話も郵便も鉄道も本格的に始まっておらず、電報は最先端の通信手段として重宝され、特に官公庁や基幹産業で利用されていました。
当初は、文字が刻印された円盤状の取っ手を回して文字を送信するブレゲ指字電信機という機械が使われていましたが、より通信速度の早いモールス符号を紙に印字させるタイプのモールス印字電信機が採用されます。
これにより、格段に利便性が向上し日本国内で広く普及していきました。