どのくらい偉いの?従五位、正一位…武将がもらう「官位」の種類が多すぎるので解説

みずめ

歴史小説や大河ドラマでは、よく出世したりすると「従三位」になったとか「左衛門尉」になったとか、肩書きらしきものを頻繁に耳にしますよね。

登場人物はきっと偉くなったんだろうけど、説明がないのでどの程度偉くなったのかがわからない・・・。

なんてモヤッとしたまま受け流している人が多いと思います。

源頼朝は最終的には征夷大将軍になりますが、最初の官位は「従五位」でした。徳川家康や豊臣秀吉は従一位(死後に正一位)という位を与えられています。

まず、公家と貴族の違いから説明します。

公家天皇や朝廷に仕える者全般を指す。
貴族公家の中でも五位以上の位階を持つ者たちを指す
公卿貴族の中でも三位以上に選ばれた者、参議に就いた者たちを指す。

公家の中でも重要な国政を担う立場の最高幹部。
公式にすると「公家=公卿>貴族」といったところでしょうか。

官位とは

まず頭に入れておきたいのは、官位とは「官職」と「位階」を合わせた呼び方だということです。
・官職の「官」
・位階の「位」
で官位なのですね。

①官職
飛鳥時代の大宝律令で定められた朝廷の公務のことです。
官職は「二官八省」と呼ばれる分類がされています。
【二官】
・神祇官(じんぎかん)……祭祀担当
・太政官(だじょうかん)……国政担当(この下に八省があります)
【八省】
・左弁官局管轄 → 中務省・式部省・治部省・民部省
・右弁官局管轄 → 兵部省・刑部省・大蔵省・宮内省
で、この省の下にたくさんの官職がぶら下がるのですが、ここでは省きます。

②位階
同じく大宝律令で制定されたもので、貴族の序列を表すものです。序列とはまあ、現代でも同じ意味で「誰がどのくらい偉いのか」ということですね。
全部で30段階あり、位の高い順に表記しますと・・・
①正一位
②従一位
③正二位
④従二位
⑤正三位
⑥従三位
⑦正四位上
⑧正四位下
⑨従四位上
⑩従四位下
(この下は正と従の上下が交互に並ぶ)

㉗大初位上
㉘大初位下
㉙少初位上
㉚少初位下
となります。

ひときわ重要視されるのが「従五位」です。前述しましたが従五位よりも上位になると貴族とみなされ、【天皇の日常生活の場である清涼殿に上がることができる】からです。
頼朝も従五位になった時点で、その権利を得たわけですね。

2ページ目 武家社会の時代になり有名無実化する

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