由来は中国の伝説
昔からの言い回しで、親密な男女の縁について「小指が赤い糸でつながっている」というのがありますね。
あの由来は何なんでしょうか? 探っていきましょう。
「運命の赤い糸」の由来と考えられているもののひとつに、中国の北宋時代の『太平広記』に記されている「定婚店」という物語があります。
ある夜、縁談相手のもとに向かうひとりの男がいました。この男はある宿場町の役人でしたが、自身の縁談がなかなかまとまらないことに悩んでいました。
道中、男は月明かりの下で老人に出会います。老人は結婚を司る神様で、冥界からやってきたと話します。現世の男女の足首に、決して切れない赤い縄を結んでいくのだといいます。
困っていた男は、今度の縁談はうまくいくだろうか、とその老人に相談をしました。
すると老人は「うまくいかない」と答えて、続けて、「お前の運命の相手は、野菜売りの老婆に育てられている貧しい3歳の幼女だ」と言うのです。
男は怒り、召使いにその3歳の幼女を刺すように命じます。幼女は額に刀を突きさされ、命こそ助かったものの額には傷がついてしまいました。
それから14年後。
男は、同じ宿場町に住むある美しい女性と結婚することになります。
しかし、その女性の額には傷がついていおり、彼女が自分が14年前に傷つけてしまった幼女であると気付き「神が決めた定めに逆らうことはできない」と思い、過去の自分の過ちを正直に打ち明けました。
それを聞いた女性はすべてを許し、男と同じように運命の不思議さに感嘆します。
それからは男は女性を大切にし、二人は幸せになったという話です。