「鎌倉殿の13人」頼朝にスキャンダル発覚!壮大な夫婦喧嘩の結末は…第12回「亀の前事件」予習

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、3月27日放送の第12回サブタイトルは「亀の前事件」。

亀の前とは、源頼朝(演:大泉洋)が鎌倉へ連れこんだ愛妾・(演:江口のりこ)のこと。

政子(演:小池栄子)という妻がありながら、都人である頼朝はさも当然の如く愛妾を作ったのでした。

しかし、そのことをまだ政子は知りません。勝ち気で嫉妬深い彼女のこと、もし知っていたらただじゃすまなかったことでしょう。

で、今回はついにそれがバレて大事件に発展。後世「亀の前事件」と呼ばれ、頼朝伝承のハイライトとしてファンに愛されています……よね?

今回はその大筋を紹介。しょうもない浮気男と、気が強いやきもち女の夫婦げんかに、しばしおつき合い願います。

ことの始まり

寿永元年六月小一日庚子。武衛以御寵愛妾女 号龜前 招請于小中太光家小窪宅給。御中通之際。依有外聞之憚。被搆居於遠境云々。且此所爲御濱出便宜地云々。是妾。良橋太郎入道息女也。自豆州御旅居奉昵近。匪顏貌之濃。心操殊柔和也。自去春之比御密通。追日御寵甚云々。

※『吾妻鏡』寿永元年(1182年)6月1日条より

【意訳】頼朝が寵愛している亀の前という女を、小窪にある小中太光家(こちゅうた みついえ。中原光家)の館に住まわせた。
堂々と通うと外聞が悪いから、少し離れた場所を選んだのだとか。ここなら海で心身を清める儀式にかこつけて遊びに来やすいとのこと。
この女は良橋太郎入道(よしはし たろうにゅうどう)の娘で、伊豆の流人時代から親しかった。顔だけでなく性格も美人で、この春ごろからますます熱を上げているのだそうな……。

挙兵に際して伊豆に置いてきたけど、そろそろ落ち着いてきたから、と鎌倉に呼ばれた亀の前。

でも、外聞が悪い(と言うより、政子にバレたら怖い)から、少し離れた光家の館に住まわせます。

頼朝「おぅ小中太。この女、俺の愛人なんだけど預かってくれよ」

光家「しょうがないっスね。まったく佐殿もお好きなんだから……」

さて、これからはいつでも亀の前と会えるぞ……もうウッキウキの頼朝は、何だかんだ理由をつけて御所を抜け出すのでした。

壽永元年六月小八日丁未。武衛渡御景廉車大路家。令訪病痾給。自今曉。心神復本之由申之。即令候御共。參小中太家云々。

※『吾妻鏡』寿永元年(1182年)6月8日条より

【意訳】頼朝が、加藤次景廉(かとうじ かげかど。加藤景廉)の家へ見舞いに行った。すると「今朝がたすっかり回復した」とのことで、快気祝いに小中太の館へ遊びに行ったのだとか……。

5ページ目 勘づく政子と、隙だらけの頼朝

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