戦国時代、首の代わりに耳や鼻を!?武士道バイブル『葉隠』が紹介する武士の嗜みとは

戦国時代、戦さ場で敵を倒したことの証明として首をとったことはよく知られています。

しかし首というものは意外と重く、成人男性だと5キロほどもあって一つ持ち運ぶだけでも大変。まして複数携帯したまま戦うなんて、無謀以外の何物でもありません。

そこで、気の利いた者はわざわざ首を持ち歩かず、確かに「自分がその首をとった(その者を倒した)」証拠として耳や鼻を削いでおき、戦さが終わった後でゆっくり回収したそうです。

耳や鼻を削いでおけば、たとえその首を持ち去られてしまっても、論功行賞に際して「その者はそれがしが倒した」と持っていた耳や鼻を合わせれば、自分の手柄を証明できます。

ただ、人間の首というものは耳や鼻を削いでしまうと、意外に男性だか女性だか判らなくなってしまうもの。

(当時は男性も髪を伸ばしており、中央の月代さえ剃り上げてしまえば、首の腐敗もあっていよいよ見分けがつきにくくなります。中性的な顔立ちの者であれば尚更でしょう)

そこで中には敵ではなく非力な女性を殺し、その首を持って手柄を水増ししようとする者もいたようで、そんな不正がまかり通ったら当局は商売上がったりです。

一方、真面目に戦っている者としても、せっかく死闘の末に奪ってきた首を疑われるのは面白くないので、ひと工夫を加えたのでした。

2ページ目 決め手はヒゲ

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