「お父さん!トイレで新聞読むのやめてって、いつも言ってるでしょ!」
今日もどこかで繰り広げられていそうなこの会話。トイレの独占は非常に迷惑なので、最低限の用だけ足したらさっさと譲って欲しいところです。
「いやぁ、用を足してる間って退屈だろ?だから新聞くらい読ませておくれよ……」
「だったらさっさと出ればいいでしょ!」
「だいたいその新聞、お母さんも読みたいんだけど……汚いから、トイレに持ち込まないでよ」
「はいはい、分かったよ……あーあ、一人でゆっくりできる書斎があればなぁ……」
とはボヤいて見るも、そんなものは夢のまた夢……いや、そもそも立派な書斎なんてなくても、このトイレの個室感が何とも落ち着くではありませんか。
「いつもは活字なんか見たくもないのに、トイレでだと無性に読みたくなるのは何でだろう」
尾籠な話で恐縮ながら、排泄時の脱力感は得も言われぬリラックス効果をもたらし、普段よりも物覚えがよくなるような気がしないこともありません(よく、トイレの壁に単語表を貼っておくと、いつの間にか覚えているとか)。
そんなトイレの可能性?に着目したのが、かつて「甲斐の虎」と恐れられた戦国大名・武田信玄(たけだ しんげん)。
そのポテンシャルを最大限に引き出したトイレが、武田家の本拠地である躑躅ヶ崎館(つつじがさき。現:山梨県甲府市)にあったそうですが、信玄公は一体どんなトイレを使っていたのでしょうか。
2ページ目 セキュリティ万全!居心地も最高な信玄公の特注トイレ