色白で肌がきめ細かく、艶々の黒髪に、真紅のように艶めかしい唇を持つ女性が美人とされていた江戸時代。当時から、女性たちは常に美を意識し、スキンケアについての書物『都風俗化粧伝』を読んで研究するなど、日々努力していました。
今回は、そんな江戸時代の女性たちが実践していた美容方法や原材料などについて紹介していきます。
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夏の化粧はあっさりと。江戸時代も季節により白粉の塗り方を変えていました
人気で危険な「美麗仙女香」
江戸時代では、色白であることが美人の定義とされていました。
「色の白いは七難隠す」ということわざもあるように、当時の女性たちは白肌を目指して、白粉を使用したメイクを施しています。そんな中、当時人気だった女形の歌舞伎役者が「美麗仙女香」という白粉を使用したことで、江戸の女性たちの間で噂が広まり、大ヒットしました。
また、こちらの「美麗仙女香」は多くの方法で宣伝されており、浮世絵師「溪斎英泉」が描いた宣伝用の錦絵も残されています。
ただ、当時の白粉は水銀や鉛を含んでいたため、中毒症状を引き起こす可能性もあり、体によくありませんでした。
うぐいすのフンを使った洗顔料
うぐいすの「フン」と言われると、顔に使用するものなので抵抗を感じてしまう人も多いのではないでしょうか?しかし、当時の女性にとっては、肌を綺麗にする貴重なアイテムのひとつだったようです。
肌のキメが細かくなって小じわが減り、美白効果もあったと言います。
もともとは、洋服の染み抜きなどをしていた職人の手が白いことから、「作業に使用していたウグイスの糞に美白効果があるのでは?」となり、美容にも使われるようになりました。
洗顔料に使われ始めたのは平安時代で、江戸時代にはメジャーとなっていたようです。