「菜の花や 月は東に 日は西に」 与謝蕪村(よさ ぶそん。江戸時代の俳人)
厳しい寒さも峠を越えて、町のあちこちに菜の花が咲き始めると、いよいよ春の訪れを感じますね。
時に、方角について西とか東とか当たり前に呼んでいますが、どうして「きた」とか「みなみ」と言うのか、疑問が湧いてきました。
そこで今回は、方角を示す東西南北の語源について、その一説を紹介したいと思います。
太陽が向かってくる「東(ひがし)」の方角
夜が明けて、太陽(日)が昇ってこちらに向かってくる「ひむかしかた(日、向かし方)」が訛って「ひんがし」、そして「東(ひがし)」になったそうです。
宮崎県の旧国名「日向(ひゅうが、ひむか)」と共通していますね。
太陽が去っていく「西(にし)」の方角
東から昇った太陽は南の空を通り過ぎ、やがて去って行くのですが、その「ひいにしかた(日、去にし方)」が縮まって「西(にし)」になったと言われています。
過去を表す「古(いにしえ。去にし辺)」と同じ語源ですね。