実存する最古の「日の丸」は武田家のものだった
大河ドラマ「麒麟がくる」が始まりましたね~といいつつ、明智光秀に全く関係のない武田家の話です(笑)。
甲府に日本百名山の大菩薩嶺という山がありますが、塩山側の登山口近くに雲峰寺という寺があります。実はここは大変由緒のある寺で、なんと武田信玄の息子、武田勝頼が織田信長との「天目山の戦い」で敗れた時に残党が逃げ込んだ寺なのです。
寺には数少ないながらも貴重な品々が残されており、「風林火山」の旗として有名な孫氏の旗や、勝頼の書状、そして武田家が所有していた「日の丸」が置いてありました。
実はこの日の丸こそ現存する日本最古のもの。
元々は天喜4年(1056)に後冷泉天皇から源頼義に下賜されたもので、頼義の三男である新羅三郎義光に渡りました。義光はのちに「甲斐源氏」という一族の宗家となる人物で、武田家はその甲斐源氏の流れを汲むのですね。
ですので、最後は武田勝頼が軍旗と共に所有したということなのでしょう。最古の日の丸がまさか、山中の奥深い寺にあるとは思いませんでした。
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