単にほどきやすくするため?花魁の帯ってなぜ前で結んであるの?
華やかに着飾った花魁をはじめとする遊女たちの姿を見て「あれっ?」と思ったことはありませんか?
私たちが和服を着る時には、帯は後ろに結ぶのが一般的です。しかし彼女たちは、前側で帯を結んでいるのです。
「花魁とはそういうものだから」と言ってしまえばそれまでですが、いったいなぜそのような習わしとなっているのか、ちょっと気になりませんか?
もしかして…客と同衾するのが仕事だから、客が帯をほどきやすくするためだったのでしょうか?
豪華に、そして格を高く見せるためだった!?
花魁が「花魁道中」のときに胸の前側で締めていた豪華な帯は「俎板帯(まないたおび)」と呼ばれ、帯の「たれ」の部分の長さは約1m、幅が19cmもあるものでした。
あまりにも大きくて胸から大きな俎板をぶら下げているように見えるため、このような名前で呼ばれるようになりました。
こんな大きくて幅の広い帯を体の前側に締めていたら、何かと邪魔になったでしょう。
しかし花魁にとっては、自分を豪華に飾ることも仕事のうちでした。衣装や髪飾りなどにお金をかけて豪華に見せることは、その花魁の「格」を表すことだったのです。
花魁たちの着物や帯、装飾品などは馴染みの上客からプレゼントされることもありましたが、自前で揃えることもあったといいます。
豪華な着物にこれまた豪華な帯を結んだら、それらがよく見えるようにして、自分の「花魁としての格の高さ」を更にアピールしたいもの。
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そこで花魁は帯を敢えて前で結び、帯の一番豪華な部分が顔と一緒に正面からよく見えるようにしたのです。