江戸時代になると宮本武蔵や柳生宗矩など多くの剣術家が現れました。
刀=男性を現すように剣術家は男性が多かったですが、1人「異装の女性剣術家」と呼ばれた女性剣術家が実はいたのです。
その事実だけでも驚きを隠しきれないのですが、今回はその女性剣術家、佐々木累(ささきるい)について触れてみたいと思います。
父の死で浪人へ
累の父、佐々木武太夫(ささきぶだゆう)は土井利勝に仕える剣術家でした。父から剣術を教わり、武家の娘として成長した累は佐々木家を継げる婿を探します。
しかし、慎重に婿を選び過ぎたことにより、父は病没してしまいます。その後、佐々木家には後継者がおらず、断絶してしまいました。必然的に累は浪人となってしまうのでした。
なぜ累が家督を継げなかったのかいうと、当時の体制である幕藩体制では、家督相続者は男子であることが自明の理とされていたからでした。