相撲は、相手を倒すか土俵の外に追い出すことで勝敗を決める日本古来からの力比べで、現在では国技にもなっています。そして、世界中の人たちに”SUMO”で知られているほど、有名な日本文化のコンテンツとなっています。
ところで、「サッカー」や「野球」など、大抵のスポーツは、「する」とか「やる」といいますが、なぜか相撲だけは「相撲をとる」といいます。
どうして相撲だけ「とる」というのでしょうか。相撲の起源を調べてみると、思っていた以上に歴史があることが分かりました。
日本最古の歴史書とされる『古事記』の中に出てくる神様同士の力比べがその起源だとされています。この「力くらべ」のときに、「手を取り合ってから」はじめたことから、「相撲を取る」という言葉がうまれました。
ちなみに、人間同士の相撲の起源として良く知られているのは、『日本書記』にでてくるエピソード。野見宿禰(のみのすくね)と當麻蹶速(たいまのけはや)の2人が、第11代垂仁天皇の前で行った天覧相撲の話です。
相撲の神「野見宿禰」が祀られる、新横綱だけが奉納土俵入りを行う神社
野見宿禰(のみのすくね)は、出雲国の出身。土師氏の祖で、阿陀勝、来日田維穂命の父に当たります。対して、當麻蹶速は垂仁天皇の時代に勇名をはせたと伝わる人物で、大和国の当麻邑(たいまのむら、現奈良県葛城市當麻)に住み、強力を誇って生死を問わない勝負をする者を欲していたといいます。
これを聞いた垂仁天皇が野見宿禰をして力比べをさせたと伝わります。そのときの様子は、漢文で「捔力」と書かれており、これを訓読する時「すまひとらしむ」と読んだようです。
これがやがて「角力」と漢字表記するようになりました。なお、この勝負では、野見宿禰が当麻蹴速を蹴り殺して勝利しました。その後、この故事にちなんで734(天平6)年聖武天皇の天覧相撲が行われ、これが現在の相撲の始まりになったとされています。
いずれにせよ、相撲を「とる」のは1000年以上の歴史があるようです。
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